column

下肢皮膚潰瘍(かしひふかいよう・足の難治性キズ)の治療について

皮膚科コラム

下肢皮膚潰瘍(かしひふかいよう・足の難治性キズ)

治療の基本方針

下肢皮膚潰瘍(かしひふかいよう)は、太ももから足首、足先にかけての皮膚組織が欠損し、深くえぐれて生じる「治りにくい難治性の傷(潰瘍)」です。その背景には、下肢の静脈弁の破壊による「静脈うっ滞性潰瘍」や、動脈硬化で血流が途絶える「動脈性(虚血性)潰瘍」、あるいは糖尿病性神経障害に伴うものなど、重大な「血管・血流の病態」が潜んでいます。当院の基本方針は、「救急・形成外科の最前線で数多くの広範囲組織欠損や血管再建に携わってきた豊富な臨床経験に基づき、潰瘍の『真の原因(血管の健康状態)』を解剖学的に厳密に見極め、足の切断リスクを未然に徹底防衛すること」です。単に軟膏を塗るだけの表面的な治療を完全に排し、創面の精密なデブリードマン(壊死組織の除去)と、原因に応じた適切な力学的アプローチ(圧迫療法または迅速な病院紹介)を実直に行い、組織の根本的な再生(閉鎖)へと導きます。

こんなお悩みはありませんか(チェックリスト)

  • ・足のすねや足首のキズ、靴擦れ、虫刺されの跡が、何ヶ月経っても全く塞がらず深くえぐれている
  • ・潰瘍の周りの皮膚が全体的に硬く、茶褐色〜黒っぽく不気味に変色(うっ滞性皮膚炎)している
  • ・キズ口の底に、黄色いドロドロした膜や黒い組織がこびり付き、独特な嫌なニオイがする
  • ・じっと座っているだけでも足先がジンジンと激しく痛み、夜も眠れない(安静時疼痛)
  • ・糖尿病の持病があり、足の指先にできた小さな傷が徐々に黒ずんできて(壊疽の兆候)非常に怖い

主な特徴・治療法

血管動態(静脈性・動脈性)の厳密なアセスメント:静脈の逆流で足が鬱血して起こる「静脈性」か、動脈が詰まって酸素が届かない「動脈性」かを、足の動脈の拍動触診や皮膚温チェックにより厳密にスクリーニングします。動脈性の重症ケース(重症下肢虚血)に対しては、一刻の猶予も許されないため、高度専門医療機関へ迅速にバトンを繋ぎます。

 

生きた組織を呼び戻す「微細デブリードマン」:潰瘍の底に死んだ組織(壊死組織)や不良肉芽が残っていると、細胞の再生(肉芽形成)が完全にストップします。専門医の微細な外科学的技術を用いて、痛みのないよう不要組織だけを的確に除去(デブリードマン)し、キズの底を綺麗な「ピンク色の生きた組織」へと作り変えます。

 

最新の創傷治癒ガイドラインに則った「湿潤環境コントロール」:組織の欠損度や汁(滲出液)の量、感染のリスクをシビアに計算し、細胞が最も動き回りやすい環境を作る高機能ドレッシング材や組織成長因子製剤(フィブラストスプレー等)を適切に選定・処方します。

治療の流れ(下肢皮膚潰瘍)

①精密な下肢診察 ➔ 血管動態のスクリーニング 潰瘍の深さや組織の状態(底の色など)を詳細に診察。足の甲や足首の内側の動脈の拍動を直接触知し、血液が足先まで届いているかを厳密に確認します。

 

②根本原因の解説 ➔ 治療計画の提示 なぜこの傷が何ヶ月も治らなかったのか、その原因(血管の詰まりや鬱血)を説明し、傷を閉じるための大前提(圧迫療法の必要性や、専門病院での血管カテーテル治療の必要性など)を誠実にお伝えします。

 

③外科的処置(デブリードマン & 大量生理食塩水洗浄) キズの治りを妨げている不要な組織を精密に除去。その後、感染の原因となる細胞を取り除くため、お肌に負担をかけない優しい流水による徹底的な微細洗浄を行います。

 

④最適な創傷被覆材・軟膏による高機能パッキング 潰瘍の現在のステージ(黒色期、黄色期、赤色期、白色期)に完全に合致した、最新の医療用被覆シートや軟膏を選択し、傷口を優しく保護・密閉します。

 

⑤定期的な創面リペアの評価 ➔ 血管外科・総合病院との緊密な連携 定期的に通院いただき、潰瘍が確実に縮小しているかを毎診察確認します。もし大元の太い動脈に強い狭窄(詰まり)があり、バイパス手術やカテーテルが必要な場合は、直ちに専門病院へ紹介状を作成し、足の切断リスクを徹底的に回避します。

  • ・救急・形成外科の豊富な知見を駆使した、難治性潰瘍の裏に隠れた動脈閉塞の早期発見
  • ・キズの底を「生きた組織」へと劇的に生まれ変わらせる、的確な壊死組織除去(デブリードマン)
  • ・保険診療(※当院での初期診察、処置、被覆材等の処方はすべて保険適用です。高度なカテーテル手術等はご紹介先の総合病院にて行われます)

よくあるご質問(Q&A)

Q. 足の傷が深くえぐれて黄色い汁が出ています。他院の軟膏で治らないのですが、様子を見て大丈夫ですか?
A. いいえ、絶対にそのまま様子を見ずに、一刻も早く当院を受診してください。足の皮膚潰瘍が何ヶ月も治らない場合、それは単なるお肌のキズではなく、大元の「血管の病気(動脈の詰まりや静脈の不全)」が原因です。血流が途絶えている組織には、いくら高級な軟膏を塗っても酸素や栄養が届かないため、絶対にキズは塞がりません。特に糖尿病や高血圧をお持ちの方で、傷口が黒ずんできたり、じっとしていても激痛が走る場合は、足の組織が腐ってしまう「壊疽(えそ)」の一歩手前の段階であり、最悪の場合足を切断しなければならなくなります。一刻も早い専門の診察が必要です。

ACCESS
アクセス

兵庫県川西市栄町12-8三宝クリニックビル6F

072-758-8125

皮膚科・形成外科外来

【窓口受付】08:30~11:30 【Web受付】09:00~11:00

診療時間 日・祝
08:30 - 12:00

美容外科・レーザー手術

【完全予約制】

診療時間 日・祝
12:30 - 16:00

皮膚科・形成外科外来

【窓口受付】16:00~18:30 【Web受付】15:00~18:00

診療時間
16:00 - 19:00

▲…16:00~18:00は完全予約制で、診療科目は美容外科・レーザー・手術及び、皮膚科・形成外科の処置の必要な方の再診になります。
【休診日:日・祝日・第4週水曜日】

CALENDAR
診療カレンダー