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皮膚腫瘍
治療の基本方針

皮膚腫瘍(できもの)には良性・悪性があり、それぞれに最適な治療を行います。
「確実に取り除くこと」と「傷跡を最小限にすること」を両立することを大切にしており、傷の方向を考慮した2〜3層縫合と早期抜糸により、美しい仕上がりを目指します。
手術の流れ(良性腫瘍)
① デザイン
傷が最も目立たない方向に、最小の切開線をデザインします。
② 局所麻酔
細い針で注入します。痛みを感じるのは主にこの過程のみです。
③ 切開・剥離
部位・年齢・腫瘍に応じた最適な角度で切開し、周囲組織へのダメージを最小限にします。
④ 腫瘍の摘出
取り残しがないよう丁寧に摘出します。
⑤ 真皮縫合
体内に吸収される細い糸で縫合し、傷跡が目立たない仕上がりを実現します。
⑥ 皮膚縫合
皮膚の表面を髪の毛より細い医療用の糸で丁寧に縫合し、傷跡が目立たない美しい仕上がりに整えます。
手術時間:5~30分
日帰り手術
保険診療あり
※術後1日目(手術の次の日)からシャワー浴が可能です。
当院で切除が困難と考えられる場合は状況によって、川西総合医療センター・大阪国際がんセンター・兵庫医大・阪大病院などの高次医療機関へご紹介いたします。
眼瞼下垂(まぶたのたるみ・下がり)
眼瞼下垂とは
加齢やコンタクトレンズの長期使用などにより、上まぶたを健常な位置まで持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)が緩み、まぶたが下がってきて視界が狭くなる状態です。
「目が開きにくい」「お顔の印象が眠たそうに見える」といった見た目の問題だけでなく、無理に目を開けようとおでこの筋肉を使うため、「頑固な肩こり」「頭痛」「おでこの深いシワ」の原因にもなります。
当院の手術療法
形成外科専門医として、単にまぶたを上げる(機能回復)だけでなく、両目のバランスを細かく調整し、患者さんの本来の「自然で美しい目元の仕上がり(審美性)」を追求した日帰り手術を行っています(黒目が上まぶたにかぶさるようなら保険適応となります)。
手術の流れ
① デザイン
座った状態でお顔全体のバランスを見ながら、まぶたの自然なラインをミリ単位でデザインします。
② 局所麻酔
極細の針で注入します。痛みを感じるのは主にこの過程のみです。
③ 切開
二重のラインに沿って皮膚を切開し、たるみがある場合は同時に最適な量の皮膚を精密に切除します。
④ 挙筋腱膜の固定
緩んでしまった筋肉(腱膜)を、瞼板の適切な位置に優しく固定し直します。
⑤ 仕上がりの確認・縫合
手術中に何度か目を開けていただき左右のバランスを確認後、髪の毛より細い医療用の糸で丁寧に縫合します。
手術時間:30〜60分程度(片目の場合)
日帰り手術
保険診療適応(※条件あり)
保険適応の基準について
上まぶたが下がって黒目(瞳孔)にある程度かさなり、視野が狭いなどの「機能的な問題」がある場合は、保険適応での手術が可能です。診察時に専門医が適切に診断いたします。
※約1週間後に抜糸を行います。術後1日目からシャワー浴が可能です。傷跡は時間の経過とともに二重のラインに馴染み、ほとんど目立たなくなります。
先天性眼瞼下垂(生まれつきのまぶたのたるみ・下がり)

先天性眼瞼下垂は、生まれつきまぶたを持ち上げる筋肉の力が非常に弱い(挙筋能がない)状態です。
当院では、局所麻酔可能な方に対して、ご自身の大腿(太もも)または側頭部(あたまの横)から採取した筋膜をまぶたに移植する「筋膜移植による眼瞼挙上術」を行っています。
形成外科専門医として、確実な機能回復と、自然でお顔に馴染む仕上がりを目指します。
手術の流れ(先天性眼瞼下垂・筋膜移植)
① デザイン・カウンセリング
まぶたの開きの左右差やお顔全体のバランスを精密に測定し、最適なまぶたのラインをデザインします。
② 局所麻酔・筋膜の採取
痛みを抑えた麻酔を行い、大腿(または側頭部)の目立たない部分から、手術に必要なご自身の健康な筋膜を丁寧に採取します。
③ まぶたの切開(眉毛上縁の切開)
まぶたの自然な部位と眉毛上縁部に沿って皮膚を切開し、まぶたの切開部と眉毛上縁切開部を結ぶトンネルをつくって、筋膜を収めるスペースを確保します。
④ 筋膜の移植・固定
採取した筋膜を、まぶたと眉毛の上の筋肉(前頭筋)の間に橋渡しするように移植し、しっかりと固定してまぶたを吊り上げます。
⑤ 仕上がりの確認・丁寧な縫合
まぶたの開き具合や閉じやすさを細かく調整・確認した後、傷跡が最も目立たなくなるよう医療用の細い糸で精密に縫合します。
手術時間:90〜120分程度(片目の場合)
日帰り手術
保険診療適応
筋膜の採取部位について
移植する筋膜は、傷跡が目立ちにくい大腿(太もも)、または髪の毛に隠れて外からは見えない側頭部から採取します。どちらの部位を選択するかは、患者さんの年齢や状態を考慮し、診察時に専門医が最適に診断いたします。
※約1週間後に抜糸を行います。状態により術後1日目(手術の次の日)からシャワー浴が可能です。筋膜を採取した部位の傷跡も、時間の経過とともに徐々に目立たなくなります。
陥入爪(かんにゅうそう)
陥入爪(かんにゅうそう)は、爪の端が周囲の皮膚に深く突き刺さり、激しい痛みや炎症、肉芽(にくげ)を引き起こす状態です。
当院では、ワイヤー矯正などの保存療法では改善しない難治性の症例に対し、再発率が極めて低い「フェノール法」を用いた日帰り手術を行っています。また、症状や爪の形態に合わせて「鬼塚法に準じた手術療法」にも対応し、形成外科専門医として痛みの根本解決と美しい爪の形を目指します。
手術の流れ(フェノール法)
① デザイン・麻酔の準備
爪の食い込んでいる範囲を正確に確認し、切除するラインを決定します。
② 局所麻酔(指神経ブロック)
指の付け根付近に麻酔を行います。細い針を使用し、しっかりと痛みのない状態を作ります。
③ 爪(側爪板)の切除
皮膚に突き刺さっている原因の爪(側爪板)を部分的に縦に切除し、優しく抜き取ります。
④ フェノールによる爪母(そうぼ)の処理
爪を生み出す組織(爪母)にフェノールという薬品を塗布し、食い込んでいた部分の爪が今後生えてこないように精密に処理します。
⑤ 洗浄・処置
薬品をしっかりと中和・洗浄し、傷口を保護する軟膏とガーゼで丁寧に処置します(フェノール法では原則として皮膚を縫合しないため、抜糸の必要はありません)。
手術時間:10〜20分程度(1箇所の場合)
日帰り手術
保険診療適応
※フェノール法では原則として皮膚を縫合しないため抜糸は不要です。術後の痛みはほとんどなく、術後4日目からシャワー浴が可能です。
鬼塚法に準じた手術療法について
鬼塚法に準じた手術療法は、爪の端が深く食い込むだけでなく、周囲の皮膚(側爪襞)が大きく盛り上がったり、激しい炎症や肉芽(にくげ)が定着してしまったりした重度の陥入爪に対する根本的な外科手術です。
形成外科専門医として、食い込んでいる爪とその原因となる爪母(そうぼ)を周囲の余分な組織ごと外科的に切除・縫合することで、痛みの原因を根本から取り除き、再発を防ぐ美しい指先の仕上がりを目指します。
手術の流れ(難治性陥入爪・鬼塚法に準じた手術療法)
① デザイン
盛り上がった皮膚(肉芽など)の切除範囲と、取り除くべき爪および爪母のラインを精密にデザインします。
② 局所麻酔(指神経ブロック)
指の付け根付近に麻酔を行います。細い針を使用し、しっかりと痛みのない状態を作ります。
③ 爪・爪母および余剰組織の切除
食い込んでいる爪と、その爪を生み出す組織(爪母)を部分的に切除します。同時に、痛みの原因となっている周囲の盛り上がった余分な皮膚組織も綺麗に切除します。
④ 爪床(そうしょう)の形成
残した正常な爪が今後まっすぐ美しく生えてこられるよう、爪の土台(爪床)の形を細かく整えます。
⑤ 丁寧な縫合
切除した部分の皮膚を寄せ、医療用の細い糸を用いて傷跡が最も綺麗に馴染むよう丁寧に縫合します。
手術時間:20〜40分程度(1箇所の場合)
日帰り手術
保険診療適応
術後の経過と注意点について
手術当日から歩行が可能ですが、少し痛みます。数日間は患部を濡らさないように保護が必要です。約1〜2週間後に外来にて抜糸を行います。術後1日目(手術の次の日)からシャワー浴が可能です。切除した部分の皮膚や傷跡は、時間の経過とともに徐々に目立たなくなり、すっきりとした健康な指先に戻ります。