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川西市の皮膚科・形成外科による解説|ケロイド

クリニックコラム

傷跡が赤く盛り上がる・かゆみや痛みがある「ケロイド」でお悩みではありませんか?

ニキビ跡やピアス穴、小さなケガからでも生じるケロイドは、自然に治りにくく再発もしやすいため、適切な治療選択が極めて重要です。当院では、患者様のお体に負担の少ない**保険診療による段階的・複合的な治療**を最優先の基本方針としております。

ケロイドとは?肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)との違い

ケロイドとは、皮膚の傷が治る過程でコラーゲン繊維が過剰に作られ、赤く盛り上がって「かゆみや強い痛みを伴う病的な傷跡」のことです。

似た症状に「肥厚性瘢痕」がありますが、ケロイドは「元の傷の範囲を超えて周囲の正常な皮膚へ広がる」特徴を持っています。ニキビ跡、ピアス、虫刺され、擦り傷といった小さな傷から生じることもあり、体質や刺激を受けやすい部位(胸・肩・あご周りなど)で悪化しやすい傾向があります。

当院の基本方針:まずは保険診療を最優先

【重要】当院におけるケロイドの治療コンセプト

ケロイドは再発を起こしやすい疾患です。そのため当院では、いきなり無理な手術を行うのではなく、まず保険診療にて「炎症や不快な症状(かゆみ・痛み)を抑え、盛り上がりを落ち着かせる」ことを最優先いたします。患者様のお悩みや症状に応じ、段階的に複数の治療法を組み合わせてコントロールしていきます。ただし、ピアスなどが原因のケロイドは、自費診療となります。

当院で行う主な治療法(保険診療)

A. 外用薬(貼り薬・塗り薬)

  • ステロイドテープ剤/ステロイド軟膏(第一選択):
    炎症をしっかり抑え、赤み・盛り上がり・かゆみや痛みを和らげる中心的な治療法です。特にテープ剤は病変に密着しやすく、治療の利便性に優れています。
  • 保湿・保護薬(ヘパリン類似物質など):
    乾燥によるかゆみや外部からの不快な刺激を和らげる目的で併用します(ステロイド外用薬を補助する役割です)。

B. 内服薬(必要に応じて処方)

  • トラニラスト(リザベン):
    かゆみや痛みなどの自覚症状が強い場合に、内服薬として補助的に用いることがあります(効果の発現には個人差があります)。

C. 局所注射(必要に応じて導入)

  • ステロイド局所注射(トリアムシノロン):
    病変の盛り上がりが強い場合や非常に硬い場合、外用薬だけでは十分な変化が得られない場合に行います。国内外の標準的な医学知見においても、局所注射は痛みの改善や病変の減量に有用であることが実証されています。

日常のお手入れ・生活のポイント

ケロイドは「物理的な摩擦や刺激」および「皮膚が引っぱられる力(張力)」によって悪化しやすいことが分かっています。治療効果を最大限に高めるため、以下の点にご注意ください。

  • 洗顔・洗浄は優しく: ゴシゴシこすらず、たっぷりの泡で包むように洗い、タオルは押さえるように水分を拭き取ります。
  • 擦れや締め付けを軽減: 衣類の摩擦や圧迫を防止するため、必要に応じて保護テープ等を使用します。
  • 動きの大きい部位の保護: 胸や肩など皮膚が引っぱられやすい部位は、固定用テープで張力を和らげます。
  • 紫外線対策の徹底: 強い日差しは色素沈着や炎症を悪化させる原因となるため、日焼け止めや衣類で保護します。

手術を行う場合の当院の方針(再発予防が前提)

ケロイドは「単純に切除するだけ」の単独手術を行った場合、**高い確率で再発を起こす**ことが知られています。そのため当院では、単なる切除ではなく、**“再発予防策を組み合わせた総合的な治療”**として手術を検討します。

① 当院で行う形成外科的手術(症例に応じ選択)

熟練した形成外科手技を用いて皮膚の張力を減らす丁寧な縫合を行い、さらに**術後早期からステロイド局所注射や各種保護処置を組み合わせて再発を防止**します。

② 難治例・高リスク部位における提携病院へのスムーズなご紹介

胸部や肩部など高リスク部位のケロイドや再発を繰り返す難治性の場合は、**「手術直後の電子線照射(放射線治療)」**を組み合わせることが最も効果的とされています。高度な組み合わせ治療が必要と判断した場合は、速やかに適切な提携高度医療機関をご紹介いたします。

【補足】赤みが強い場合のVビーム(色素レーザー)治療について

血管増生に伴う強い赤みが気になるケースでは、PDL(波長585〜595nm:Vビーム)等のレーザーを併用することが有用な選択肢となります。当院で本治療のご選択・ご要望がある場合には、設備を有する専門医療機関をご紹介することが可能です。

当院での受診・治療の流れ

STEP 1 初診・診察

病変の部位・大きさ・硬さ・赤みや痛みの程度を精密に診察し、ケロイドか肥厚性瘢痕かを鑑別します。

STEP 2 基本治療(保険診療)の開始

ステロイド外用薬(貼付薬・軟膏)を中心に、症状に応じて内服薬を組み合わせた治療を行います。

STEP 3 段階的な処方の調整・注射の追加

経過を確認しながら、必要に応じてステロイド局所注射などを安全に追加検討していきます。

STEP 4 難治例の対応・長期フォロー

状態に応じて当院での手術療法、または提携病院へのご紹介(手術+術後照射)を行い、再発を防ぐためのケアを継続します。

よくあるご質問(Q&A)

Q1. なぜ最初から手術で取り除かないのですか?

A. ケロイドは単に切除するだけだと、再発を起こしたり以前より大きくなったりするリスクが高いためです。当院ではまず負担が少なく効果的な保険診療(ステロイド外用・注射等)で病変を落ち着かせることを標準方針としております。

Q2. 市販のシリコーンシートだけで綺麗に治りますか?

A. シリコーンシートは予防や摩擦保護の補助としては役立つ場合がありますが、すでに赤く盛り上がってしまったケロイドを平らに整えるには、医療機関でのステロイド治療等が必要となることがほとんどです。

Q3. 当院で手術を行う場合、再発を防ぐためにどんな工夫をしますか?

A. 形成外科的な特殊縫合技術や術後のテープ固定で張力を緩和し、さらにステロイド局所注射などの予防策を組み合わせます。また再発率が特に高い部位や症例では、提携病院での術後照射治療を組み合わせてご提案いたします。

※本コラムは一般的な医療情報の提供を目的としています。ケロイドの部位・大きさ・体質により最適な治療法は異なりますので、具体的なお悩みは受診時にご相談ください。

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