川西市の皮膚科・形成外科による解説|手根管症候群
手の指がピリピリしびれる、親指に力が入りにくい…そんな症状はありませんか?
手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)は、手首にある神経のトンネルが圧迫されることで生じる疾患です。当院では患者様の負担を抑えるため、診察から保存療法、注射、日帰り手術まで、段階を追った丁寧な保険診療を行っています。
手根管症候群とは
手根管症候群とは、手首の関節部分にある「手根管(しゅこんかん)」という構造の中で、**正中神経(せいちゅうしんけい)**が圧迫されて起こる病気です。
主に親指・人差し指・中指・薬指の親指側に、しびれやピリピリとした痛みが現れます。症状が進行すると、握力が低下したり、親指の付け根のふくらみ(母指球)はやせて、ボタン掛けやコインをつまむような細かい作業が難しくなることがあります。
当院での基本的な治療方針
当院では、手の機能を大切に守るため、からだへの負担が少ない治療から段階的にご提案しています(すべて保険診療です)。
- 丁寧な診断(問診・診察)
- 保存的治療(夜間スプリント固定中心)
- 手根管内ステロイド注射(改善が不十分な場合)
- 日帰り手術(必要な場合)
まず行う治療(保険診療:保存的治療)
A. 固定療法(夜間スプリント)
夜間、手首をまっすぐな位置(中間位)に保つ装具(スプリント)を装着していただきます。就寝中に無意識に手首が曲がると手根管内の圧力が上がり、しびれで目が覚める原因となるため、夜間固定は大切な基本治療となります。
B. 内服薬・外用薬による補助療法
- ビタミンB12製剤(メチコバール等):末梢神経の傷の修復をサポートする目的で使用します。
- 消炎鎮痛薬(内服・外用):痛みが強い場合の補助として組み合わせます。
※お薬は圧迫そのものを直接解除するものではないため、スプリント固定などと併用して進めます。
症状改善が不十分な場合:手根管内ステロイド注射
装具療法での改善が十分でない場合や、早期に症状を和らげたい場合には、手首のトンネル内に少量のステロイドを直接注射し、神経周囲の腫れや炎症を抑えます。
海外の大規模な比較研究(RCT)においても、注射治療を行ったグループでは投与6週間時点での症状や日常の使いやすさが良好であったことが報告されています。症状の経過やご生活のスタイルに合わせて選択いたします。
日帰り手術を検討する目安
以下のような状態が見られる場合は、大切な神経を守るため、**手根管開放術(手根管の屋根にあたる横手根靭帯を切離し、圧迫を取り除く手術)**をご提案することがあります。
- 親指の付け根(母指球)の筋肉がやせてきた
- しびれが強く、細かい作業が難しい・感覚が鈍い状態が持続している
- スプリントや注射治療を行っても症状の改善が得られない、または再発を繰り返す
研究データにおいても、進行期や早期回復を目指す場合において、手術を選択した方の長期的な回復率が高い傾向が示されています。
当院の日帰り手術(保険適用)の工夫
- 痛みを緩和する局所麻酔:腕の神経ブロック(伝達麻酔)などを活用し、施術中の痛みを十分に抑えます。
- 小切開での安全な施術:約3cm程度の小さな切開から、正中神経を慎重に確認しながら靭帯を切り開きます。
- 高度医療機関との連携:持病のある方やリスクが高い場合は、適宜総合病院等へ連携・ご紹介を行っております。
日常生活での工夫(負担軽減と予防)
- パソコン・スマホの姿勢:リストレストを活用するなど、手首が極端に曲がったり反ったりしない位置を保ちましょう。
- 強く握り込む動作を控える:雑巾絞り、重い鍋を持ち上げる、自転車のブレーキを深く握り続ける動作は手首への負担となります。
- 適度な休憩とストレッチ:作業の合間に手首を休め、軽いストレッチを行いましょう。
- 手元の保温:冷えると血流が滞り症状を感じやすくなるため、手首周りを温かく保つことが大切です。
よくあるご質問(Q&A)
※本ページの内容は一般的な知識の提供を目的としており、症状や背景疾患(妊娠、糖尿病、甲状腺疾患など)によって適切な治療方針は異なります。手のしびれやお悩みがある方は、無理をなさらず一度ご相談ください。
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