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川西市の皮膚科・形成外科による解説|褥瘡(床ずれ)について

クリニックコラム

褥瘡(じょくそう・床ずれ)は、寝たきりや車椅子で同じ姿勢が続いたときに、骨が出っぱっている場所(お尻・かかとなど)に圧がかかり続け、皮ふやその下の組織の血のめぐりが悪くなって起こるキズです。

褥瘡は、軟膏や貼り薬だけで良くなるとは限りません。治すためには、まず圧を減らす(除圧)ことが大前提です。そのうえで、キズの状態に合わせて、洗浄・被覆材(ドレッシング)・必要な処置を組み合わせて治療します。

こんなお悩みはありませんか?

  • ○ お尻や腰の骨のまわりが赤く、押しても色が戻らない
  • ○ 赤かった場所が水ぶくれになり、皮がむけてじゅくじゅくしてきた
  • ○ 黒いかさぶた(壊死)や、黄色い付着物、においがある
  • ○ 軟膏を塗っているのに、キズが小さくならない
  • ○ 家での体位交換や洗い方がわからない

褥瘡の主な治療方針

① いちばん大切:除圧(体重のかかり方を変える)

体位交換(寝返り)や、クッション・マットレスなどで体圧を分散します。座り方・寝方の工夫(ポジショニング)を、在宅・施設の介護チームと一緒に調整します。

② 壊死(黒い部分)や強い汚れがあるとき:デブリードマン(不要な組織の除去)を検討

壊死組織があると、治りにくくなったり感染が起こりやすくなったりするため、状態によっては取り除く処置を行います。外科的デブリードマンは、特に深い褥瘡(Stage III/IV)で検討されますが、患者さんの全身状態も含めて慎重に判断します。
※処置の痛みは、必要に応じて麻酔や鎮痛で和らげます。

③ 被覆材(ドレッシング)・軟膏:キズの「汁の量」と「皮ふの状態」に合わせて選びます

褥瘡は、乾かしすぎず、かといって蒸れすぎないように、キズを保護しながら治していきます。ドレッシングは種類が多く、どれが誰にでも一番とは限らないため、経過を見ながら合うものに調整します。ハイドロコロイドやフォーム材の使用が選択肢として挙げられます。

④ 感染が疑われるとき

熱感・赤みの拡大・強い痛み・発熱・膿などがある場合は、感染の評価を行い、必要に応じて治療(外用薬や抗菌薬など)を追加します。

治療の流れ

1.全身とキズの評価(ステージ判定)

褥瘡の深さ(Stage)や大きさ、周囲皮ふの炎症、痛み、発熱の有無を確認します。あわせて、栄養状態・脱水・貧血・糖尿病など、治りに影響する全身の要因も評価します(必要に応じて採血などを行います) 。

2.除圧(圧を減らす工夫)を最優先で開始

体位変換、ポジショニング、体圧分散マットレスやクッションの調整を行い、「同じ場所に圧がかかり続けない状態」を作ります。これは手術をする場合でも必須です 。

3.洗浄・被覆材(ドレッシング)・外用薬の選択(保存的治療)

滲出液の量や皮ふの状態に合わせてドレッシング材を選び、湿潤環境を保ちながら治癒を促します。Stage III/IVでは、状況によりカデキソマー等やポビドンヨード含有製剤などの外用を検討することがあります。

4.壊死(黒い部分)や感染がある場合:デブリードマン(不要組織の除去)を検討

壊死があると治りにくくなるため、全身状態が許せば外科的デブリードマンを行うことがあります。 ※感染が疑われる場合は、創の状態と全身所見に応じて、外用/内服/点滴などの抗菌治療を追加します 。

5.陰圧閉鎖療法(NPWT)などで肉芽形成を促す治療を検討

深い褥瘡 Stage III/IVでは、創の状態により陰圧閉鎖療法を行い、肉芽(ピンク色の良い組織)を増やして創を小さくすることを検討します。

6.手術(再建術:皮膚移植・皮弁など)の適応判断

保存的治療で十分に改善しない深い褥瘡では、皮膚移植や皮弁(皮ふや筋肉を動かして覆う手術)を検討することがあります。 手術前には、感染コントロールと(外科的/化学的)デブリードマンによる創床準備を行ったうえで、持病、服薬(抗血小板薬・抗凝固薬など)、栄養状態、退院後の除圧環境まで含めて、慎重に適応を判断します 。 ※再建術後は再発が起こり得るため、体位変換や体圧分散具の運用が非常に重要です。

7.経過フォローと再発予防(在宅・施設との連携)

キズの縮小、肉芽の状態、感染兆候を定期的に評価し、在宅・施設のケアチームと情報共有しながら、除圧とスキンケアを継続して再発を防ぎます 。

よくある質問(FAQ)

Q. 褥瘡は毎日消毒して、乾かした方が早く治りますか?

A.多くの場合、「強い消毒を毎日くり返す」「乾かしすぎる」ことはおすすめしません。
ただし、キズの状態(感染の有無、壊死の有無、汁の量など)によって必要な処置や外用薬は変わります。
基本は、医療者の指示に沿ってやさしく洗浄して清潔に保ち、キズに合った被覆材で保護しながら、除圧を続 けることが大切です。

ご注意
この資料は一般的な説明です。赤みが広がる、強い痛み、発熱、黒い部分が増える、急に深くなるなどがあれば、早めに医療機関に相談してください。

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