川西市の皮膚科・形成外科による解説|紫外線について
紫外線(UV)のメリットとデメリット
当院の紫外線対策と治療方針
紫外線は、体の中でビタミンDをつくるなどの「良い働き」がある一方で、皮ふにとっては日焼け(やけど)やシミ・しわ(光老化)、さらに皮ふがんにつながる「ダメージの原因」にもなります。当院では、4つの専門医資格(形成外科・救急・レーザー・熱傷)を持つ医師の視点から、医学的根拠に基づいた適切なケアをご提案します。
○ 日常の紫外線対策(予防)
○ うっかり日焼けした後の治療(保険診療)
○ 長年の紫外線ダメージ(シミ・くすみ等)への治療(ご希望による自費診療)
紫外線のデメリット(皮ふへの影響)
■ 日焼け(サンバーン)
主にUVB(紫外線B波)が原因となり、紫外線を浴びてから数時間後に皮ふが赤くなってヒリヒリします。これは皮ふの「軽いやけど」と同等の状態です。
■ 光老化(シミ・しわ・たるみ)
主にUVA(紫外線A波)は皮ふの奥深く(真皮)まで届き、肌のハリを保つコラーゲンなどにダメージを与えます。これが長い年月をかけて、しわ・たるみ・色むらを引き起こします。
■ 皮ふがんのリスク
紫外線は細胞のDNAを傷つけるため、皮ふがんの原因になることが分かっています。日頃からの紫外線対策は、将来の健康を守るためにも重要です。
紫外線のメリット(ビタミンDの合成)
紫外線(主にUVB)には、皮ふでビタミンDを作るきっかけになるという大切な働きもあります。しかし、日焼けするほど強く浴びる必要はありません。また、日焼け止めを正しく使ったからといって、ビタミンDがまったく作れなくなるわけではありません。
実際の臨床研究(Tenerifeでの実地試験)でも、強い紫外線環境においてSPF15の日焼け止めを適切な量で使用したグループで、1週間後に血中のビタミンD(25(OH)D3)が有意に増加したというデータがあります。日焼け止めを塗る=ビタミンDが作れなくなる、とは限りませんのでご安心ください。
日常生活でできる効果的な紫外線対策
紫外線対策で最も大切なのは、日々の適切な予防習慣です。
① まずは「日陰」+「衣類」で守る
日焼け止めだけに頼るのではなく、以下の対策を組み合わせるのが基本です。
○ 日陰を選んで歩く・休む
○ 長袖の着用、つばの広い帽子、サングラスの活用
② 日焼け止めの選び方の目安
UVインデックス(紫外線指数)が高い日や、屋外にいる時間が長い日は、広域(UVA/UVBの両方をカットできる)でSPF30以上の製品を選ぶのが基本です。光老化に関わるUVAを防ぐため、「PA」表示や「UVAロゴ」がついているかどうかも意識しましょう。
③ 日焼け止めの正しい使い方(最重要)
日焼け止めは、塗り方によって効果が大きく変動します。
○ 十分な量をムラなく肌に伸ばす 例えば、顔全体であれば、クリームタイプならパール粒2個分、液状タイプなら1円玉硬貨2枚分が目安です。
○ 汗をかいたとき、水に濡れたとき、タオルで擦れたときはこまめに塗り直す 例えば、外でのアクティビティでは、2から3時間ごとの塗りなおしがよいかもしれません。
④ 意図的な日焼けは避けましょう
「肌を焼いて健康的に見せる」「ビタミンDを作るために焼く」といった行為は、皮ふへのダメージが大きいためお勧めできません。健康的なお肌を保つためにも、日焼けサロンなどの利用を含めた意図的な日焼け行動は避けるのが賢明です。
うっかり日焼けしてしまったとき(日光皮膚炎:保険診療)
万が一、強い日焼けをしてしまい肌の赤み・熱感・痛みが強い場合は、まずは速やかに冷やすことが大切です。当院では、患者様のお肌の状態や重症度に応じて、炎症を抑える外用薬などを用いた保険診療による治療を行います。
※「広い範囲に水ぶくれができている」「痛みが非常に強い」「発熱がある」「ぐったりしている」といった場合は、重症のやけどに準じたケアが必要となるケースがあるため、早めに医療機関を受診してください。
シミ・くすみ・しわが気になる場合(ご希望による自費診療)
入念に紫外線対策を続けていても、これまでに蓄積されたダメージによって、シミ、くすみ、小じわ、ハリの低下などが気になってくることがあります。当院では患者様のご希望に合わせて、レーザー治療や、再生因子注入療法や美容目的の外用薬・内服薬といった選択肢についても分かりやすくご説明いたします。
なお、再生因子注入などの治療法については、効果に個人差があり、確立された結論がまだ十分ではない領域も存在します。そのため当院では、メリットだけでなく注意点やリスクも含めて事前に詳しくご説明し、患者様に十分にご納得いただいた上で慎重に検討をすすめております。
よくあるご質問(Q&A)
A. 基本的には、紫外線対策のために日焼け止めをやめる必要はありません。適切に日焼け止めを使用していてもビタミンDが体内で作られることは研究でも確認されています。ビタミンDの不足がどうしても心配な方は、紫外線に頼るよりも、食事内容の見直しや必要に応じたサプリメントの活用、医療機関での検査についてご相談いただく方が安全です。
A. 状況に合わせて適切な製品を選ぶのがコツです。屋外にいる時間が長い日や紫外線が強い日はSPF30以上が基本となりますが、日常生活においては衣類や日陰での対策を併用しつつ、ご自身の肌に合い、使い心地がよくて無理なく継続できるものを選ぶことが大切です。日常生活(通勤、買い物)であれば「SPF30 / PA++」程度で、屋外でのレジャーやスポーツ、炎天下での活動の際では「SPF50+ / PA++++」を使用するなど、シーンに合わせて使い分けるのがお肌に優しい選び方かもしれません。
A. 肌に強い炎症が起きている状態では、すぐにレーザー治療を行うことはできません。まずは炎症(やけど状態)を落ち着かせる治療を優先します。赤みやヒリヒリ感が残っている時期に強い光やレーザーを照射すると、症状の悪化や予期せぬ色素沈着を招く恐れがあります。まずは保険診療にて肌の炎症を抑える治療を行い、状態がしっかり落ち着いてから改めてご相談ください。
※このページに掲載されている内容は一般的な医療情報です。患者様の症状や体質によって最適な対策や治療法は異なります。気になる症状がある場合は、受診時にいつでもお気軽にご相談ください。
また、「強い痛みがある」「広範囲に水ぶくれができている」「発熱している」「意識がぼんやりする」などの症状が見られる場合は、重大な脱水や感染症の恐れもありますので、早めに医療機関を受診してください。
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