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熱傷・凍傷(火傷・低温やけど・日帰り植皮手術対応)の治療について

皮膚科コラム

熱傷・凍傷(火傷・低温やけど・日帰り植皮手術対応)

治療の基本方針

熱傷(火傷:やけど)や凍傷(とうしょう)は、極端な「熱」または「寒冷」という物理的なストレスによって、皮膚やその下の組織が急激に破壊・壊死してしまう物理的損傷です。特に湯たんぽや電気毛布などでじわじわと進行する「低温やけど」は、見た目は小さな赤みや水ぶくれであっても、組織の深部(脂肪や筋肉の層)にまで完全に壊死が及んでいる深刻なケースが多発します。当院の基本方針は、「救急・熱傷治療の最前線で数多くの広範囲熱傷や組織再建を執刀してきた豊富な臨床経験に基づき、組織の損傷深度を解剖学的に厳密に見極め、傷跡(瘢痕拘縮や引きつれ)を最小限に抑えること」です。浅い火傷に対しては、天然のバリアである水ぶくれを活かした「最新の湿潤療法」を徹底します。一方で、放置すると激しい引きつれ(拘縮)を残すリスクが高い「2度DDB(深在性2度熱傷)」や「狭い範囲の3度熱傷」に対しては、局所麻酔や伝達麻酔(神経ブロック麻酔)を丁寧に行い、ご自身の健全な皮膚を精密に移植する「日帰り植皮手術(皮膚移植術)」を迅速に実施しています。初期対応のスピードと高度な形成的アプローチにより、術後の美しさと機能の維持を徹底します。

こんなお悩みはありませんか(チェックリスト)

  • ・お湯や油、アイロンが触れてしまい、皮膚が赤く腫れ上がって激しい痛みが続いている
  • ・火傷をした場所が大きな水ぶくれ(水疱)になり、黄色い汁が出ていて破っていいのか分からない
  • ・冬場に湯たんぽを足に当てて寝ていたら、痛みのない鈍い赤色のシミができ、数日で真ん中が白く硬くなってきた(低温やけど)
  • ・他院で「深い火傷(2度DDBや3度熱傷)だから大きな病院で入院手術が必要」と言われたが、できれば日帰りで安全に治したい
  • ・火傷のあとをケロイドのように盛り上がらせたくない、将来引きつれを起こさないための専門治療が知りたい

主な特徴・治療法

難治性熱傷への「日帰り植皮手術」(保険診療):皮膚の深い層まで熱が及んだ「2度DDB(深在性2度熱傷)」や、組織が完全に死んでしまっている「3度熱傷(低温やけどに多い)」は、薬を塗るだけでは治るまでに何ヶ月もかかり、将来的に激しい引きつれや醜い傷跡を残します。当院では、お体の別の目立たない部位からごく薄い皮膚を採取し、患部へ精密に移植する「植皮手術」を、日帰りの安全な外来手術として実施し、早期の社会復帰を強力にバックアップします。

 

痛みを遮断する「高度な伝達麻酔技術」:植皮手術を行う際は、極細の針を用いた丁寧な局所麻酔だけでなく、傷ついた部位へと繋がる神経の元にピンポイントでお薬を効かせる「伝達麻酔(神経ブロック麻酔)」を駆使します。これにより、手術中の痛みを100%完全に遮断し、患者様が一切の苦痛を感じることなく安全に手術を終えることができます。

 

水ぶくれを剥がさない「最新の湿潤療法」:比較的浅い火傷(浅在性2度熱傷)によってできた水ぶくれ(水疱)の膜は、外部の細菌からキズ口を守ってくれる優れた天然の医療用シートです。当院ではエビデンスに則り、水ぶくれを安易に破り捨てず、内部の滲出液(成長因子)を活かした痛みのない密閉保護を行います。

治療の流れ(熱傷・凍傷)

①迅速な損傷度アセスメント ➔ 範囲・深さの診察 火傷や凍傷の範囲と深さを即座に計測。Ⅰ度(表皮)、浅在性2度(SDB)、深在性2度(DDB)、Ⅲ度熱傷のどの段階にあるかを、解剖学的な知見から厳密に診断します。

 

②治療プランの提示 ➔ 外来手術プロセスの説明 外用薬による湿潤療法で治るか、あるいは「日帰り植皮手術」が必要な深い火傷であるかを誠実に切り分けます。手術が必要な場合は、皮膚を採取する場所(太ももなど)や、術後の固定処置(タイオーバー固定など)について分かりやすく解説します。

 

③創面の微細洗浄 ➔ 麻酔下手術の実施(手術の場合) 患部を優しい流水で完全に洗浄。手術を行う場合は、確実な局所麻酔および伝達麻酔を施し、完全無痛になったことを確認してから、壊死組織を美しく取り除き(デブリードマン)、採取した健全な皮膚を精密に移植・固定します。

 

④毎日のセルフケア・シャワー洗浄指導 お家でのキズ口の正しい扱い方(怖がらずにシャワーの弱い水流で優しく毎日洗い流すことが、感染を防ぐ最高の治療です)と、保護シートや軟膏のセルフケア手順をスタッフが分かりやすく指導します。

⑤傷跡(瘢痕)の成熟・アフターケアフォロー 皮膚が完全に張り替わる、あるいは移植皮膚が安全に生着するまで責任を持って丁寧に経過を観察。皮膚が閉じたあとも、将来的にアザや関節の引きつれを残さないための遮光指導や、ケロイド予防の固定・圧迫療法を数ヶ月にわたり誠実に継続します。

  • ・2度DDB・3度熱傷に対する、神経ブロック(伝達麻酔)を駆使した完全無痛の日帰り植皮手術体制
  • ・天然のバリアである「水ぶくれの膜」を最大限に活かす、痛みのない最新の湿潤アプローチ
  • ・保険診療(※初期の消炎、外来での皮膚移植術・植皮手術、アフターケアはすべて健康保険が適用されます。※広範囲の重大な熱傷等で全身管理の入院が必要と判断される場合は、患者様の安全のため直ちに高度熱傷センターへ安全に連携します)

よくあるご質問(Q&A)

Q. 深い火傷(2度DDB・3度熱傷)で「皮膚移植(植皮)」が必要と言われました。入院しなくても本当に日帰りで大丈夫ですか?
A. はい、狭い範囲(数センチ〜手のひらサイズ程度まで)の深い火傷や低温やけどであれば、当院の外来で安全に日帰り植皮手術を完結することが可能です。手術の際は、痛みを感じる神経のルートを元からブロックする高度な「伝達麻酔(神経ブロック)」を行いますので、手術中の痛みは完全にゼロです。入院による時間的・経済的なご負担をかけることなく、手術当日にご自身の足で歩いてご帰宅いただけますのでどうぞご安心ください。

Q. 湯たんぽを当てていただけなのにできた「低温やけど」は、普通の火傷と何が違うのですか?
A. 低温やけどは、40度〜50度前後の低い温度が数時間以上にわたってお肌の同じ場所に触れ続けることで起こります。「熱い!」と感じてすぐに離すことができないため、熱が皮膚の奥深く(脂肪層や筋肉、時には骨の表面まで)じわじわと完全に伝わり、組織がじっくりと深部まで完全に死んでしまう(3度熱傷)という非常に恐ろしい特徴を持っています。表面が少し白い、または鈍い赤色をしているだけで痛みが少ないことが多いため軽視されがちですが、実際には自然治癒が極めて難しく、植皮手術が最も早く綺麗に、引きつれを残さずに治すエビデンス(医学的近道)となりますので、決して放置せず直ちに当院へお見せください。

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