川西市の皮膚科・形成外科による解説|蕁麻疹(じんましん)の治療について
蕁麻疹(じんましん):治療の基本方針について
蕁麻疹は、皮ふの一部が急に赤く盛り上がる病気です。この盛り上がりを「膨疹(ぼうしん)」と呼びます。強いかゆみが出ますが、多くは数時間〜24時間以内に跡を残さず消えるのが特徴です。
当院では、まずかゆみと腫れをしっかり抑えて、日常生活に支障が出ない状態を保つことを目標にします。治療はガイドラインに沿って、段階的に調整します。
主な治療法(段階的に調整します)
○ 抗ヒスタミン薬(基本の治療)
蕁麻疹のかゆみや腫れには「ヒスタミン」が関係しています。まずは眠気が出にくいタイプの抗ヒスタミン薬(第2世代)を毎日服用し、症状を出にくくします。
○ 効きが弱いときは、薬を調整します
症状が残る場合は、薬の量や種類を調整したり、組み合わせたりして、コントロールを目指します。
○ 注射の治療(オマリズマブ)を検討することがあります
抗ヒスタミン薬で十分に抑えられない慢性蕁麻疹では、注射の治療(オマリズマブ)を検討します。
内服ステロイド(プレドニゾロン等)について
内服ステロイドは「短期間だけ」使うことがありますが、長く続ける治療ではありません。
急に悪化して、かゆみが強くて眠れない、日常生活に支障をきたしているといった時に、一時的に短い期間(最大10日程度)だけ使うことがあります。
一方で、長く飲み続けると副作用が増えるため、慢性蕁麻疹の「基本治療」として長期に使うことは勧められていません。
研究のまとめでも、ステロイド追加で良くなる方はいますが、効果は大きくはなく、副作用が増える可能性が示されています。
免疫抑制剤の内服(シクロスポリン等)について
とても症状が強く、他の治療でも十分に抑えられない場合に限って、免疫の反応を弱める薬を検討します。代表的なのがシクロスポリンです。
ガイドラインでは、抗ヒスタミン薬やオマリズマブでも難しい重い慢性蕁麻疹で、追加治療としてシクロスポリンを検討します。
ただし、シクロスポリンは効果が期待できる一方で、副作用も起こり得るため、血圧や腎臓の数値などを定期的にチェックしながら使います。
最近の比較研究のまとめでも、シクロスポリンは効く可能性がある一方で、副作用が増える可能性があり、慎重に選ぶ薬とされています。
シクロスポリンは免疫抑制薬で、内服中は腎機能などのモニタリングが重要です。またグレープフルーツ(ジュース含む)との併用は避けます。
よくあるご質問(Q&A)
A. 急に悪化した時に「短期間だけ」使うことはあります。ただし、慢性の蕁麻疹を長く抑える目的でステロイドを飲み続けることは、ガイドラインでも勧められていません。研究のまとめでも、ステロイド追加で良くなる人はいますが、効果は大きくはなく、副作用が増える可能性が示されています。
A. 使える方は限られます。他の治療で十分に抑えられない重い場合に検討します。血圧や腎臓の検査が必要で、定期的な通院が前提になります。シクロスポリンは内服中の腎機能などのモニタリングが重要であり、グレープフルーツ(ジュース含む)との併用は避ける必要があります。
A. まず抗ヒスタミン薬を調整し、それでも不十分なら注射の治療(オマリズマブ)、免疫抑制剤(シクロスポリン)を検討します。急な悪化時のみ、短期間のステロイド内服を追加することがあります。
※息苦しさ、のどの違和感、顔や唇の急な腫れ、意識が遠のく感じがある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
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