川西市の皮膚科・形成外科による解説|みずいぼ(伝染性軟属腫)
みずいぼ(伝染性軟属腫)は、「伝染性軟属腫ウイルス(molluscum contagiosum virus)」による皮膚の感染症です。中心が少しくぼんだ、つやのある小さなブツブツが体や手足に現れます。痛みやかゆみは比較的軽いことが多いですが、掻いてつぶすとウイルスが周囲に広がり(自己接種)、数が増えてしまうことがあります。
当院では、お子さんの痛みや恐怖心、そして自然に治癒していく可能性を考慮し、ご家族としっかりご相談したうえで「経過観察」または「液体窒素(冷凍凝固療法)」を選択いたします。
※当院の基本方針:ピンセット摘除について
当院では、お子さんへの痛みと精神的負担が非常に大きいため、ピンセットでみずいぼをつまみ取る治療(摘除)は原則行っておりません。
当院でまず選択する治療方針
A. 自然経過を観察する(経過観察)
みずいぼは、体に免疫がつくことで自然に消えていくことが多く期待できます。標準的で確実にすぐれた単一の治療法が定まっていない現状において、「経過を観察しながら待つ」ことも医学的に合理的な選択肢とされています。
- 処置に伴う痛みや恐怖感がありません。
- 水ぶくれ、色素沈着、跡(瘢痕)のリスクを避けられます。
- 完全に消えるまでに時間を要する場合があります。
- その間に数が増えたり、掻き壊すことで湿疹を併発することがあります。
B. 液体窒素による冷凍凝固療法(保険診療)
内容:超低温(約−196℃)の液体窒素を用いて病変部を凍結させ、ウイルスに感染した表皮細胞の脱落を促す治療です。
- 比較的短時間の処置で完了します。
- できるだけ早く数を減らしたい場合の選択肢となります。
- 凍結の際に冷たさやピリッとした痛みを伴います。
- 水ぶくれ、赤み、一時的な色素沈着や白抜け(脱色)が生じることがあります。
- 1回の処置で終わらず、複数回の通院が必要となる場合があります。
ご家庭でのケア(再発・拡大予防の要点)
1. 保湿で肌のバリア機能を守る
皮膚が乾燥して荒れると、かゆみから掻き壊しが生じ、自分の体の中でウイルスが広がりやすくなります。日頃から保湿剤(ワセリン等)で肌の状態を整えることが大切です。
※みずいぼの周囲に湿疹がある場合は、保湿に加え、必要に応じて外用ステロイドを用いて治療し、掻く回数を減らしていきます。
2. 掻きむしり・摩擦を減らす工夫
爪は短く滑らかに整え、清潔に保ちましょう。入浴時はゴシゴシこすらず、石けんの泡でやさしく洗い、タオルで押さえるように水分を拭き取ります。
3. タオルや身の回り品の共有を避ける
直接の接触やタオルなどの物品を介して感染することがあります。ご家族間でのタオルの共用は避けるようにしましょう。
4. プール利用について
みずいぼがあることだけを理由に、一律でプールを禁止する必要はないと考えられています。ただし、ビート板やタオルなどの共有物を介した感染を防ぐため、共有を避け、必要に応じてラッシュガードを着るか保護テープで病変部を覆う対策をおすすめします。
診療・治療の流れ
- 診察:数や部位、湿疹の併発有無、掻き壊しの状態、お子さんの年齢や性格を確認します。
- 方針決定:保護者の方とご相談のうえ、「経過観察」または「液体窒素」を選択します。
- 処置・スキンケア指導:ご希望に応じて処置を行い、同時にご自宅でのスキンケア方法をご案内します。
- 経過確認:新しい病変の出現や湿疹の状態を確認しながら、症状に合わせてフォローいたします。
よくあるご質問(Q&A)
Q1.みずいぼは放置しても本当に治りますか?
A.免疫が保たれているお子さんでは自然に消退することが多く見られます。絶対的な治療法がひとつに決まっていないこともあり、経過観察を行うことは医学的にも合理的選択肢の一つです。
Q2.液体窒素の治療は痛いですか?
A.液体窒素を当てた瞬間に、冷たさとピリッとした痛みを感じることがあります。通常出血はありませんが、痛みの感じ方には個人差があります。
Q3.なぜピンセットで取らないのですか?
A.ピンセットでの摘除は痛みや出血を伴いやすく、小さなお子さんにとって非常に大きな精神的負担となるためです。自然に良くなる可能性も高いため、当院では負担の少ない経過観察または液体窒素を推奨しております。
Q4.1回の液体窒素で治りますか?
A.1回で完全に消えるとは限らず、数回の処置が必要となる場合があります。また、目に見えない小さな病変が後から出てくることもあるため、保湿や掻かない工夫を継続することが大切です。
🏥 当院のご案内
📅 診療のご希望や、みずいぼ治療についての診察相談は、
当院が初めての方は電話(072-758-8125)で、
当院を受診したことがある方は [>>Web順番受付] をお気軽にご利用ください。
【医師監修・執筆】
院長:山田 信幸(やまだ のぶゆき)
- 医学博士
- 日本形成外科学会 形成外科専門医
- 日本レーザー医学会 レーザー専門医
- 日本救急医学会 救急科専門医
- 日本熱傷学会 熱傷専門医
川西市にて「やまだクリニック」を開院し18年以上。皮膚科・形成外科・美容外科領域において豊富な日帰り手術・レーザー治療実績を持つ。