川西市の皮膚科・形成外科による解説|とびひ(伝染性膿痂疹)の治療について
とびひ(伝染性膿痂疹)は、あせも・虫刺され・湿疹などを掻きむしってできた小さな傷口から、黄色ブドウ球菌や溶連菌(レンサ球菌)などの細菌が侵入し、皮膚の表層で増殖することで生じる感染症です。
水ぶくれや、黄色〜茶色の「はちみつのようなかさぶた(痂皮)」が形成され、患部を触った手やタオルを介して火の粉が飛ぶように周囲へ広がっていきます。当院では病変の範囲、年齢、耐性菌(MRSA等)の可能性を総合的に考慮し、迅速に沈静化させ周囲へ広げないための治療方針をご提案いたします。
🧐 受診をおすすめする症状
- ✔ 虫刺されや傷口を掻いたあと、黄色い汁でジュクジュクしてきた
- ✔ 数日のうちに、腕・お腹・顔などに新しいブツブツや水ぶくれが増えている
- ✔ 黄色〜茶色のかさぶたが範囲を広げている
- ✔ 市販薬を塗っても改善しない、あるいは痛みや発熱を伴う
- ✔ 保育園・幼稚園・学校などで他の方へうつさないか心配
当院における主な治療法
1. 病変が限られている場合:外用治療(塗り薬)
水ぶくれやかさぶたの範囲が限定的である場合は、適切な外用抗菌薬を中心に使用します。臨床研究の集積においても、外用抗菌薬は未治療や偽薬と比較して高い治癒効果が認められています。地域の耐性菌動向を考慮し、適した外用薬を選択します。厚いかさぶたがある場合は、シャワー等でやさしくふやかして取り除いた上で塗布すると薬剤の浸透がスムーズになります。
2. 広範囲・多発・発熱を伴う場合:内服治療(飲み薬)
病変が全身に広がっている場合、急速に拡大している場合、集団生活で流行している場合や発熱を伴う場合は、内服抗菌薬を短期間処方することがあります。お子様の年齢や体重、耐性菌のリスクに合わせた安全性の高い薬剤を選定します。
※ニューキノロン系抗菌薬(レボフロキサシン等)は、組織障害や副作用のリスクを考慮し、小児や一般的な表在性皮膚感染症においては安易に使用せず、他の選択肢が限られる場合に慎重に検討します。
3. 湿疹・アトピー性皮膚炎を合併している場合
もともと湿疹やアトピー性皮膚炎が存在する場合、基盤となる炎症のコントロールも重要ですが、強力な細菌感染を起こしている最中にステロイド外用薬のみを単独で使用すると、局所の免疫応答が抑えられて感染が余計に悪化する恐れがあります。
当院では、まず抗菌治療と清潔保持を優先し、感染の消退を確認しながら、必要に応じてステロイドの併用を慎重に判断します。自己判断での使用継続はお控えください。
4. 細菌培養検査(必要に応じて実施)
初期治療に反応しにくい場合、頻繁に再発を繰り返す場合、周囲でMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)などの耐性菌感染が疑われる場合は、病変部の細菌培養および薬剤感作試験を実施し、最も有効な抗菌薬への見直しを行います。
ご家庭で徹底していただくホームケア(極めて重要です)
とびひの拡大を防ぎ、短期間で軽快させるためにはご家庭でのスキンケアが大きな役割を果たします。
- 1日1回はシャワーで清拭: 石けんを良く泡立て、手で包み込むように優しく洗い、流し残しのないようぬるま湯で洗い流します。ゴシゴシ擦るのは禁物です。
- 爪を短く滑らかに保つ: 掻き壊しによる病変の拡大や、爪の隙間を介した菌の拡散を防ぎます。
- タオル・衣服・寝具の共有を避ける: タオルを介した同居ご家族への感染が多いため、個別化とこまめな洗濯を徹底してください。
- 手洗いの徹底: 患部に触れた後はもちろん、ご家族皆様で丁寧でこまめな手洗いを行ってください。
当院での診療・ご相談の流れ
よくあるご質問(Q&A)
※本コラムは一般的な医療情報の提供を目的としています。発熱を伴う場合、急速に赤みや腫れが広がる場合、強力な痛みを伴う場合や目の周囲に病変が及ぶ場合は、お早めに医療機関を受診してください。
🏥 当院のご案内
📅 診療のご希望や、とびひ(伝染性膿痂疹)治療についての診察相談は、
当院が初めての方は電話(072-758-8125)で、
当院を受診したことがある方は [>>Web順番受付] をお気軽にご利用ください。
【医師監修・執筆】
院長:山田 信幸(やまだ のぶゆき)
- 医学博士
- 日本形成外科学会 形成外科専門医
- 日本レーザー医学会 レーザー専門医
- 日本救急医学会 救急科専門医
- 日本熱傷学会 熱傷専門医
川西市にて「やまだクリニック」を開院し18年以上。皮膚科・形成外科・美容外科領域において豊富な日帰り手術・レーザー治療実績を持つ。