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川西市の皮膚科・形成外科による解説|帯状疱疹(たいじょうほうしん)の治療について

クリニックコラム

帯状疱疹は、かつてかかった「水ぼうそう(水疱)」のウイルスが体内の神経節に潜伏し、加齢や疲労、ストレスなどで免疫力が低下した際に再び活発化して起こる皮膚の病気です。

体の左右どちらか一方に、ピリピリとした違和感や痛みから始まり、やがて赤い発疹や水ぶくれが帯状に広がります。治療が遅れると、皮膚が治った後も長期間痛みが残る「帯状疱疹後神経痛(PHN)」に移行する可能性があるため、できるだけ早い段階での適切な治療が大切です。

当院での治療方針(保険診療)

当院では、医学的根拠に基づいた保険診療を基本として早期治療に努めています。

1. 抗ウイルス薬によるお薬の治療

ウイルスの増殖を抑え、皮膚症状の重症化や痛みを和らげる目的でお薬の内服(必要に応じて点滴)を行います。

【重要】治療開始のタイミング

発疹(赤いぶつぶつや水ぶくれ)が現れてから72時間以内に治療を開始することが最も望ましいとされています。72時間を過ぎている場合でも、新しい水ぶくれが増え続けている場合や、目・耳の周りに症状がある場合は治療を開始することがありますので、諦めずにご相談ください。

※抗ウイルス薬は腎臓を通じて排泄されるため、持病やご年齢による腎機能の状態に合わせて投与量を慎重に調整いたします。

2. 初期からの確実な痛み対策

帯状疱疹の痛みは「皮膚の炎症」と「神経のダメージ」が組み合わさって起こります。初期の段階でしっかりと痛みを抑えることが、将来的な神経痛(PHN)の残存を防ぐ鍵となります。

痛みの強さや年齢、症状の範囲に応じて、通常の鎮痛薬だけでなく、神経の痛みに効果的なお薬(プレガバリン等)を適切に組み合わせた処方を行います。

日常生活で気をつけていただきたいこと

  • 患部を清潔に保つ:入浴は基本的に可能ですが、ゴシゴシ擦らず、ぬるめのシャワーで優しく洗い流してください。
  • 水ぶくれを破らない:水ぶくれが破れると細菌感染を起こしやすくなります。気になる場合は清潔なガーゼ等で保護します。
  • 冷えを防ぐ:冷やしても痛みが強まることがあるため、衣類で適度に保温しましょう。ただし、熱感が強い時期は無理に温めず安静を保ちます。
  • 十分な休養:免疫力の低下が引き金となります。睡眠を十分に取り、体を休めましょう。
  • 周囲への配慮(周りへの感染予防):帯状疱疹そのものはうつりませんが、水ぶくれの中にはウイルスが含まれています。水ぼうそうにかかったことがない乳幼児や妊婦さん、免疫力が低下している方には直接触れないよう注意が必要です。

特に早めの受診が必要な症状

以下の部位や症状がある場合は、合併症を防ぐために迅速な対応が必要です。

⚠️ 早急な診察が推奨されるサイン

  • 目の周り・額・鼻先の症状:角膜炎など目に影響を及ぼす恐れがあり、眼科との連携診療が必要です。
  • 耳の痛み・顔の動きにくさ:顔面神経麻痺やめまいを伴う場合(ラムゼイ・ハント症候群の可能性)があります。
  • 高熱や全身への広がり:点滴治療や専門設備での管理を考慮する場合があります。

皮膚が治った後の痛み(帯状疱疹後神経痛:PHN)

赤い発疹や水ぶくれが引いた後も長期にわたって痛みが残る状態を「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼びます。

この段階の痛みの治療は、通常の痛み止めではなく神経障害性疼痛に特化したお薬(ガバペンチノイド系薬や三環系抗うつ薬など)を組み合わせて行います。当院では皮疹消失後も丁寧に経過を伺い、痛みが強い場合にはペインクリニック等の専門外来へのスムーズなご紹介も行っております。

帯状疱疹の予防ワクチン(自費診療)

帯状疱疹の発症および長引く痛みを予防するために、50歳以上の方を対象としたワクチン接種を行っています。

区分 不活化ワクチン
(シングリックス)
生ワクチン
接種回数 2回(2ヶ月間隔) 1回
予防効果 90%以上と非常に高い シングリックスより控えめ
効果の持続性 長期にわたる効果の持続が確認されています 加齢とともに低下する傾向
接種制限 免疫低下の方も接種可能 免疫抑制治療中・妊娠中の方は不可

当院では、高い予防効果と持続性が示されている「不活化ワクチン(シングリックス)」をお勧めしております。

診療・治療の流れ

STEP 1

診察・診断:皮疹の範囲や痛みの強さ、目や耳の周囲への影響の有無を確認します。

STEP 2

初期治療:抗ウイルス薬を適量処方し、痛みにあわせたお薬を同時に選択します。

STEP 3

経過観察:皮疹が乾いてかさぶたになる過程や、痛みの変化を細かくフォローします。

STEP 4

アフターケア・予防:痛みが残る場合の追加治療や、回復後の再発予防ワクチンをご案内します。

よくあるご質問(Q&A)

Q 発疹が出てから何時間以内に治療を始めるのが理想ですか?

A 抗ウイルス薬は、発疹出現から72時間以内に開始するのが最も効果的とされています。ただし、72時間を超えても新しい水ぶくれが増えている場合や、目・耳の周囲の症状、免疫力が低下している場合などは治療を行うことがあります。

Q 皮膚が治ったのに痛みが残ります。どういう治療がありますか?

A 皮膚が治っても痛みが続く状態を「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼び、一般的な鎮痛薬だけでなく、神経の痛みに応じた専用のお薬を組み合わせて治療します。症状の強さに応じて専門機関とも連携して対応します。

Q 他の人にうつりますか?家族で気をつけることは?

A 「帯状疱疹」として他人にうつることはありません。ただし、水ぶくれの中にウイルスがいるため、水ぼうそうにかかったことがない乳幼児や妊婦さんには水ぼうそうとして感染する可能性があります。かさぶたになるまでは患部を被覆し、接触を避ける配慮が必要です。

Q ワクチン(シングリックス)はどのくらい予防効果がありますか?

A 不活化ワクチン(シングリックス)は2回接種で、50歳以上および70歳以上の方において90%を超える高い発症予防効果が大規模研究で確認されています。また、神経痛(PHN)の発症リスクを大幅に低下させる効果も報告されています。

※本ページは一般的な医療情報です。実際の治療は個々の症状や健康状態に合わせて最適化されます。

🏥 当院のご案内

📅 診療のご希望や、帯状疱疹治療についての診察相談は、
当院が初めての方は電話(072-758-8125)で、
当院を受診したことがある方は [>>Web順番受付] をお気軽にご利用ください。

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【医師監修・執筆】

院長:山田 信幸(やまだ のぶゆき)

  • 医学博士
  • 日本形成外科学会 形成外科専門医
  • 日本レーザー医学会 レーザー専門医
  • 日本救急医学会 救急科専門医
  • 日本熱傷学会 熱傷専門医

川西市にて「やまだクリニック」を開院し18年以上。皮膚科・形成外科・美容外科領域において豊富な日帰り手術・レーザー治療実績を持つ。

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