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ステロイド紫斑の治療について

皮膚科コラム

ステロイド紫斑

治療の基本方針

ステロイド紫斑(しはん)は、他の疾患(膠原病、呼吸器疾患、皮膚炎など)の治療のために、ステロイド薬(副腎皮質ホルモン)を長期間にわたって内服している方や、強いステロイド塗り薬を長年同じ場所に塗り続けている方に現れる皮膚症状です。 ステロイドの作用によって皮膚のコラーゲンや血管を支える周囲の組織、そして血管の壁自体が徐々に薄く脆くなり、日常生活でのほんのわずかな接触や軽い摩擦によって、皮膚の中で容易に出血(血管から血が漏れる)を起こしてしまう病態です。当院の基本方針は、「専門医としての正しい知見に基づき、皮膚のバリアと組織の厚みを外側から徹底的に補完・保護し、出血(青あざ・血豆)の起こりにくい強い肌へ導くこと」です。持病の治療のためにステロイドを中止できない患者様の不安に、誠実に向き合います。

こんなお悩みはありませんか(チェックリスト)

  • ・ぶつけた記憶が全くないのに、手首から腕、太ももなどに大きな「青あざ(紫斑)」が頻繁にできる
  • ・他の病気の治療で、ステロイドの錠剤を何ヶ月も(あるいは何年も)毎日飲んでいる
  • ・手足の皮膚が紙のように異常に薄く(皮膚萎縮)なり、血管がすけて見えてペラペラしている
  • ・少し皮膚をこすったり、衣類が擦れただけで、すぐに血豆(皮下出血)ができてしまう
  • ・青あざが治ったあとも、皮膚が茶褐色(色素沈着)になったままシミのように残って消えない

主な特徴・治療法

皮膚の菲薄化(ひはくか)に伴う毛細血管の破壊: ステロイドによる結合組織の代謝低下が原因であるため、これ以上のダメージを防ぐためにお肌の扱い方を根底から見直します。


医療用バリア保湿剤による外側からの組織保護: ペラペラになってしまった皮膚のクッション機能を補填するため、ヘパリン類似物質やワセリンなどの高機能な医療用保湿剤を処方し、外的な摩擦ストレスから血管を物理的に防御します。


摩擦を徹底的に排除する生活用保護指導: 衣服の着脱や、睡眠時の寝返り、無意識の掻きむしりによる出血を防ぐため、ガーゼや専用のサポーター、包帯を用いた実践的な皮膚の守り方を指導します。


治療の流れ(ステロイド紫斑)

① 専門医による皮膚萎縮の診察 紫斑(あざ)の現れている腕やすねの皮膚の「薄さ」や「キメの消失度合い」を詳細に診察。他のお薬の影響や、年齢による老人性紫斑ではないかを鑑別します。


② 服薬歴・治療背景の誠実な確認 現在、どのような病気で、どれくらいの量・期間ステロイド(内服・外用)を使用されているかを伺います。持病の主治医の先生の治療方針を最優先に考えます。


③ 病態の解説 ➔ スキンケアの必要性の説明 なぜステロイドによって血管が脆くなってしまうのか、そのメカニズムを説明し、これ以上の出血を防ぐための医療用保湿剤の役割を分かりやすく説明します。


④ 皮膚バリアを高める保湿剤の処方 お肌に潤いを与え、組織を肉厚に保護するための最適な保湿剤を処方。また、強く掻き壊して湿疹化している部分があれば、バランスを考慮した的確な処置を行います。


⑤ 定期的な経過観察・皮膚の保護状態の確認 定期的に通院いただき、お肌の乾燥やペラペラ感がどれくらい改善されているか、新しい青あざができる頻度が減っているかを丁寧にフォローします。

  • ・持病のステロイド治療を継続しながら、お肌の脆さをカバーする支持療法
  • ・皮膚のクッション性を高めるための、医療用保湿剤のオーダーメイド処方
  • ・保険診療

よくあるご質問(Q&A)

Q. あざ(紫斑)がたくさんできて見た目が怖いのですが、ステロイドの薬をすぐにやめるべきですか?
A. 絶対に自己判断でお薬(特に内服薬)を中止したり、量を減らしたりしないでください。 ステロイドの内服薬は、お体全体の重要な病気(膠原病や喘息、腎疾患など)を抑えるために必要不可欠に出されているものです。急に止めると、元の持病が激しく悪化するだけでなく、ホルモンバランスが崩れて命に関わる深刻な全身症状(副腎不全)を起こす危険性があります。紫斑でお悩みの場合は、まずは当院にご相談いただき、お肌の保護を行いながら、必要に応じて持病の主治医の先生と連携・相談を図るのが最も安全です。

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皮膚科・形成外科外来

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