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乾癬(かんせん)の治療について

皮膚科コラム

乾癬(かんせん)

治療の基本方針

乾癬(かんせん)は、皮膚の細胞が通常の約10倍という異常なスピードで過剰に作られてしまうことで、皮膚が赤く盛り上がり(紅斑)、その表面に白いフケのような粉(鱗屑:りんせつ)がびっしりと付着してポロポロと剥がれ落ちる慢性的な皮膚疾患です。当院の基本方針は、「日本皮膚科学会の最新の診療ガイドライン(エビデンス)に完全準拠し、細胞の過剰な増殖を分子レベルで安全に制御すること」です。乾癬は原因が完全には解明されていない難治性の疾患であり、長期的な管理が必要となります。これまでの専門医としての豊富な臨床経験に基づき、一時的な消炎にとどまらず、患者様のライフスタイルやQOL(生活の質)を最優先に考えた、誠実で持続可能な薬物治療をご提案します。

こんなお悩みはありませんか(チェックリスト)

  • ・頭皮、肘(ひじ)、膝(ひざ)、お尻など、衣服でよく擦れる場所に境界のくっきりした赤い斑点がある
  • ・赤いブツブツの表面に、銀白色の硬いカサブタのようなフケが付き、めくると点状に出血する
  • ・爪の表面に小さな凹凸(点状陥凹)ができたり、爪が全体的に分厚くなって浮き上がっている
  • ・症状がある場所を爪で掻き壊すと、数日後にその傷口が新しく同じ赤い斑点へと変化してしまう
  • ・市販の保湿剤や通常の湿疹の薬を塗っているが、一向に平らにならず慢性化している

主な特徴・治療法

ガイドライン推奨の「外用配合剤」による強力な増殖抑制:炎症を鎮めるステロイド外用薬と、表皮細胞の異常な増殖を根本から抑えるビタミンD3外用薬を組み合わせた最新の「配合剤(ドボベット等)」を第一選択とし、エビデンスに基づいた的確なアプローチを行います。

 

プロアクティブな外用コントロールの指導:乾癬は症状が良くなったからと急に薬を止めると、すぐにぶり返す特性があります。皮膚が綺麗になったあとも、徐々に塗る回数を減らして良い状態を維持する計画的な外用指導を徹底します。

 

生活上の増悪因子(ケブネル現象)の排除:乾癬は物理的な刺激(摩擦、キズ、眼鏡や下着の締め付け)によってその場所に新しい病変が出現する「ケブネル現象」があります。日常で皮膚への刺激を避けるための具体的なノウハウをお伝えします。

治療の流れ(乾癬)

①全身の皮膚観察 頭皮、四肢、爪、関節の痛みの有無などを詳細にチェック。尋常性乾癬をはじめとする乾癬の各病型を国際的な診断基準に照らし合わせて厳密に特定します。

 

②病態の説明 ➔ 長期コントロールの目標設定 なぜ皮膚が分厚く剥がれてしまうのか、そのメカニズム(免疫のバランス異常)を説明し、「完治」ではなく「症状を完全に抑えて健やかな肌を維持する」ための治療計画を共有します。

 

③最適な組み合わせ治療の処方 ビタミンD3外用薬、ステロイド外用薬、またはそれらの配合剤など、最新のエビデンスに基づいた最適な薬剤を決定し処方します。

 

④正しい軟膏の塗り方の実技指導 分厚い皮膚にお薬を浸透させるため、擦り込まずに「ティッシュがペタッと貼り付くくらいの量」を正しく患部に乗せる具体的な方法を、医師がその場で指導します。

 

⑤定期的な経過観察・QOLの維持 お肌の赤みや白い粉がどれくらい和らいでいるかを定期的に評価。冬場の乾燥による悪化などを予測しながらお薬の強さを適切に調整し、快適な社会生活をバックアップします。

  • ・最新の診療ガイドラインに完全準拠した、無駄な角質増殖を抑える分子アプローチ
  • ・ケブネル現象(摩擦による悪化)を防ぐための、きめ細かな生活習慣指導
  • ・保険診療

よくあるご質問(Q&A)

Q. 乾癬(かんせん)という病名は周りの家族や友人にうつりますか?不潔にしているからですか?
A. 他人にうつることは絶対にありません。また、不潔にしているから発症するわけでもありません。乾癬という名前から「感染症」の一種と誤解されがちですが、原因はウイルスや細菌ではなく、体内の免疫バランスが崩れることで皮膚の細胞が過剰に作られてしまう疾患です。握手をしたり、一緒にお風呂に入ったり、洗濯物を一緒に洗っても、他人にうつるリスクはゼロですので、周囲の方もご自身もどうぞ100%ご安心ください。

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