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川西市の皮膚科・形成外科による解説|白癬菌感染症(みずむし・つめみずむし・いんきん・たむし)

クリニックコラム

足のかゆみやカサカサ、爪の濁りや厚みにお悩みではありませんか?いわゆる「水虫」と呼ばれる真菌感染症は、カビの仲間である「白癬(はくせん)菌」が皮膚や爪の角質層に入り込んで起こる病気です。

水虫をそのまま放置してしまうと、不快な症状が続くばかりでなく、大切なご家族へうつしてしまったり、爪が変形して痛みの原因になったりすることがあります。さらに、傷口から細菌が侵入して「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」などの強い腫れを伴う感染症を引き起こすリスクも潜んでいます。

川西能勢口駅近くのやまだクリニックでは、顕微鏡を用いた確実な検査で診断を行い、日本皮膚科学会のガイドライン等に基づいた保険診療による標準治療(外用薬中心)を基本に、患者様お一人おひとりのライフスタイルに合わせた丁寧な治療方針をご提案しています。「菌を確実に減らし、再発を防ぐ」ことを目指して、一緒に根気よく治療を続けていきましょう。

まず行う検査について(保険診療)

顕微鏡検査(KOH直接鏡検)

水虫の治療を開始するにあたり、最も重要なのが「本当に白癬菌がいるかどうか」を確かめることです。湿疹や異汗性嚢胞(汗疱)など、水虫と見た目がそっくりで区別がつきにくい皮膚病はたくさんあります。自己判断で市販の水虫薬を塗り続けると、かえって症状が悪化してしまうケースも少なくありません。

当院では、症状のある皮膚や爪の一部をごく少量採取し、その場で顕微鏡を使って菌の有無を確認します。痛みはほとんどない検査ですので、どうぞご安心ください。

当院の治療方針(保険診療が基本)

検査で白癬菌が確認された場合、基本的には以下のようなアプローチで治療を進めます。

治療の3ステップ

  1. 確実な顕微鏡検査による「正しい診断」
  2. ガイドラインに準じた「保険での標準治療(外用薬中心)」
  3. 必要性や症状に応じた「内服薬の検討」

A. 皮膚の水虫(足白癬など)

【抗真菌外用薬(塗り薬)での治療】
治療の基本は、毎日欠かさず抗真菌外用薬を塗ることです。ここで大切なのは、症状(かゆみや皮むけ)がある部分だけにとどめず、症状のない足の裏全体、あるいは指の間や足の縁まで広範囲にしっかりと塗ることです。白癬菌は症状がない場所にも潜んでいるためです。
お薬を塗り始めてかゆみが治まっても、菌はまだ皮膚に残っている可能性が高いです。再発を防ぐため、医師から指示された期間はご自身の判断で中止せず、塗り続けるようにしてください。

B. 爪の水虫(爪白癬)

爪は硬い角質で覆われているため、通常の塗り薬が奥まで届きにくいという課題があります。そのため、当院では外用治療の効果を高めるために、「爪を薄く整えるセルフケア+爪用外用薬」の組み合わせを積極的にお勧めしています。

医学的なガイドラインにおいても、外用・内服のどちらの治療をおこなう場合でも、病変部分をやすり等で削るケア(debridement/roughening)を併用することが有用であるとされています。

💡 ご自宅での大切な爪ケア

  • 入浴後など、爪が少し柔らかくなっているタイミングで行います。
  • 爪の表面を「少しずつ、優しく」削ります(削りすぎて周囲の皮膚を傷つけないようご注意ください)。
  • 削り終わったあとに、処方された爪用の抗真菌外用薬を塗布します。

※具体的な削り方や強さについては、初診時および再診時に医師・スタッフが詳しくご指導いたします。

必要な場合のみ検討する内服薬(保険診療)

外用薬と爪ケアの組み合わせだけでは改善が難しい場合(爪が著しく厚くなっている、感染範囲が非常に広い、爪の根元である爪母まで菌が及んでいることが疑われる場合など)は、抗真菌薬の内服(飲み薬)を検討します。中等症から重症の爪水虫においては、ガイドラインでも内服治療が推奨されています。

内服薬(例:テルビナフィンなど)を使用する際は、お薬との相性や安全性を確認するため、定期的におこなう肝機能などの採血チェックが必要となります。患者様の健康状態をしっかり確認しながら進めてまいります。

日常生活における大切なポイント

水虫の治療効果を高め、さらに大切なご家族への感染を防ぐために、日々の生活の中で次の2つのポイントを意識してください。

1. 洗浄と乾燥

ゴシゴシと強くこすらず、石鹸をしっかり泡立てて優しく洗ってください。入浴後は、指の間までタオルで丁寧に水分を拭き取り、よく乾燥させることが大切です。

2. 家族への感染対策

共有しやすいバスマットやスリッパ、爪切りなどは別々のものを使用することをお勧めします。また、床に落ちた剥がれ落ちた角質(皮)の中にも菌が潜んでいるため、こまめな掃除が効果的です。

一般的な治療の流れ

1. 診察 + 顕微鏡検査
お困りの症状をお伺いし、顕微鏡検査にて白癬菌の確定診断を行います。
2. 外用薬の処方・ケア指導
患者様の状態に合わせた塗り薬を処方します。爪水虫の場合は、ご自宅での「爪を薄くする」セルフケアの方法も丁寧にお教えします。
3. 定期的なチェック
定期的にお通いいただき、お薬の効果、お肌のかぶれの有無、爪ケアがスムーズに行えているかを確認します。
4. 治療の見直し(必要な場合)
万が一、外用薬での改善が乏しい場合は、別のお薬への変更や、内服治療への切り替えなどを柔軟に検討します。

よくあるご質問(Q&A)

Q1なぜ「自分で爪を削る」必要があるのですか?
A.爪は本来、お薬の成分が非常に通りにくい構造をしています。そのため、ご自身で表面を削って適度に薄くしていただくことで、処方された爪用外用薬が奥の病変部まで届きやすくなります。このアプローチは、医学的なガイドラインでも推奨されている非常に有用な補助療法です。
Q2かゆみが消えたら、薬をやめてもいいですか?
A.症状が軽くなったりかゆみがなくなったりしても、ご自身の判断で治療を中止しないようお願いいたします。見かけ上はきれいになっても、皮膚の深いところにまだ白癬菌が残っていることが多く、途中でやめると高い確率で再発を招きます。医師が判断するまでの期間、指示通りにしっかりと塗り続けることが重要です。
Q3外用だけで爪水虫は治りますか?
A.比較的軽症の爪水虫であれば、適切な爪ケアと外用薬の継続によって改善が期待できます。しかしながら、菌の感染範囲が広い場合や、爪が著しく厚くなっている場合、また爪の根元(爪母)まで菌が及んでいる場合は、外用薬単独でのアプローチでは難しいこともあります。その際は、患者様の体質やご希望を考慮した上で、内服薬の併用なども含めて最適なプランをご相談させていただきます。
Q4市販薬で様子を見てもいいですか?
A.皮膚のごく軽度の水虫であれば市販薬で一時的に落ち着くこともあります。しかし、先述の通り、湿疹などの他の皮膚病と水虫は見た目が非常に似ています。もし水虫ではない病気に水虫の薬を塗り続けると、かえって悪化を招くおそれがあります。特に爪に変形がある場合や、症状を何度も繰り返す、なかなか治らないといった場合は、クリニックで顕微鏡検査を受け、確定診断をもとに治療をおこなう方が安心かつ確実です。

※本コラムは一般的な医療情報の提供を目的としています。実際の症状やご体質によって最適な治療法は異なりますので、気になる症状がある方はお気軽に受診時にご相談ください。

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